2009年8月27日木曜日

じごくのそうべえ












「じごくのそうべえ」(桂米朝・上方落語・地獄八景より 田島征彦/作 童心社 1978)

綱渡りをしていた軽業師のそうべえは、足を踏みはずしてあの世へ──。歯抜き師のしかい、医者のちくあん、山伏のふっかいらと道連れに、三途の川を渡り、閻魔大王のまえにやってきます。閻魔大王のいいかげんな裁きにより、4人は地獄へと追いやられてしまいますが…。

上方落語「地獄八景」をもとにした絵本です。落語らしく、とぼけた味わいがあります。田島征三さんの絵は大迫力。じんどんき(人呑鬼と書くのでしょうか?)の面相など、すさまじいかぎりです。文章は、ほぼ登場人物のセリフです。上方落語なので、セリフは関西弁。どの登場人物が、どの発言をしたか、いちいち記されていませんので、読み聞かせをするには熟練を要する1冊です。第1回絵本にっぽん賞受賞。1978年初版、2007年版は106刷。すでに古典といっていいでしょう。小学校低学年向き。

余談ですが、セリフの発言者が記されていないというのは、日本の絵本に多い気がします。

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