2009年8月5日水曜日

ちかい












「ちかい」(ポール・ジェラティ/作 せなあいこ/訳 評論社 1996)

ある朝、ヤミーナはおじいちゃんと一緒に茂みの奥にハチミツをとりにでかけました。「あたし、ゾウがみたいの」というヤミーナに、おじいちゃんはこたえました。「運がよければな。狩人がやってきてから、数がへったからな」。狩人の真似をして、ひとりで茂みの奥に入りこんでしまったヤミーナは、とても悲しそうな鳴き声を聞きました。声のほうにいってみると、小さな子どものゾウが、倒れている母さんゾウをゆり起こそうとしていました。

アフリカを舞台にした絵本です。このあと、ヤミーナは子ゾウをゾウの群にとどけるため旅をします。リアルに描かれた絵がすばらしく、文章も緊張感があります。母を失った子ゾウと、迷子になったヤミーナの二人の心細さが、テーマを強く打ち出しています。小学校中学年向け。

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