「おじいさんのハーモニカ」(ヘレン・V・グリフィス/作 ジェイムズ・スティーブンソン/絵 今村葦子/訳 あすなろ書房 1995)
ある夏のこと、孫娘がおじいさんをたずねてきました。女の子は畑仕事を手伝いましたが、最初のうちはうまくできません。でも、おじいさんは「おかげでとてもはかどった」といいました。夕方になると、おじいさんはハーモニカを吹いてくれました。ふたりはとても仲良しになりました。ところが、つぎの年の夏、女の子がおじいさんの家にいってみると、おじいさんは病気になっていました。
このあと、女の子はおじいさんのためにハーモニカを吹きます。おじいさんと女の子の交流をえがいた、あたたかい絵本です。夕方、おじいさんがハーモニカを吹く場面を引用してみましょう。
《「わしは、ほんとうは、コオロギやバッタのために吹いているんだよ。昼間、わしらに、いい音楽を聞かせてくれたから、そのおかえしさ」
おじいさんは言いました。
「あれたちは、音楽がすきなんだ」
とも、おじいさんは言いました。そして女の子も、そのとおりだと思ったのです。》
本書は1987年に佑学社から出版された本の再版です。小学校中学年向き。
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