「うんがにおちたうし」(フィリス・クラシロフスキー/作 ピーター・スパイアー/絵 みなみもとちか/訳 ポプラ社 1994)
ヘンドリカは不幸せな牛でした。みわたすかぎりの平べったいオランダの畑のなかで、納屋や風車ばかりながめて暮らすのは、もうあきあきしていました。ところが、ある日、夢中になって草を食べていたヘンドリカは、運河に落ちてしまいました。そして、古ぼけた大きな箱にぶつかり、それを押しているうちに、箱に乗ってしまいました。箱はどんどん流されて、とうとうヘンドリカは町にやってきました。
町にやってきたヘンドリカは、それまで考えていたことを全部やってのけます。帰りはどうするのだろうと思っていると、そこもうまく収まります。絵本は横長で、ひらいたときのパノラマ感が素晴らしいです。また、細部がよく描きこまれているので、みていて飽きることがありません。絵を描いたピーター・スパイアーは、おそらくピーター・スピアーのことでしょう。小学校低学年向き。
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