2009年8月24日月曜日

メイゼルとシュリメイゼル









「メイゼルとシュリメイゼル」(アイザック・B・シンガー/文  マーゴット・ツェマック/絵  木庭茂夫/訳 富山房 1976)

ふたりの妖精がある村を通りがかりました。ひとりは、幸運という名のメイゼル、もうひとりは不運という名のシュリメイゼルです。メイゼルは、ひとを幸せにするやりかたを100万も知っているといいますが、シュリメイゼルはひとを不幸にするやりかたを千万も知っているといいます。メイゼルが1年かけて村いちばんの貧乏人を幸せにするというと、シュリメイゼルは1秒でそれをだめにしてみせるといいます。そこで、2人はじっさい村いちばんの貧乏人を相手に賭けをすることにしました。シュリメイゼルは、事故や病気などという古くさいやりかたをつかってはいけません。さて、賭けはどうなるでしょうか。

副題は「運をつかさどる妖精たちの話」。絵本というより、長いお話に、すばらしい絵のついた大きな本といった感じです。シンガーのお話は、登場人物全員に見せ場が用意されていて、短編小説のよう。とても面白く、読み終わると運命の変転になんだかはるばるとした気持ちになります。小学校中学年向け。

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