「ぼくのおじさん」(アーノルド・ローベル/作 三木卓/訳 文化出版局 1982)
〈ぼく〉はゾウの子ども。ある日、旅にでた母さんと父さんは、船で嵐にあい、帰ってこなくなってしまいました。〈ぼく〉は、カーテンをしめ、部屋でひとりぼっちで座っていました。そこへ、おじさんがやってきました。ずいぶんたくさんのシワがありますね、という〈ぼく〉に、「そうとも」とおじさんはこたえました。「一本の木の葉っぱよりもたくさんある。浜辺の砂つぶよりもたくさんある。空の星よりもたくさんある」。
〈ぼく〉はおじさんと一緒に汽車に乗り、おじさんの家にいって、ランプをつけたり、夜明けに挨拶したり、散歩をしたりします──。
「がまくんとかえるくん」シリーズで高名な、アーノルド・ローベルの絵本です。〈ぼく〉とおじさんの出会いから別れまでが、短い話をあつめた連作としてえがかれます。章立てを引用してみましょう。
「おじさん ドアを あける」
「おじさん でんちゅうを かぞえる」
「おじさん ランプを つける」
「おじさん よあけに あいさつする」
「おじさん からだが ぎしぎしする」
「おじさん おはなしを する」
「おじさん ふくを きる」
「おじさん うたを つくる」
「おじさん ドアを しめる」
どの話もささいなことがらをとりあげたものばかりですが、それでいて深い味わいを残します。小学校低学年向き。
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