2011年7月15日金曜日

とびねこヘンリー












「とびねこヘンリー」(メリー・カルホーン/文 エリック・イングラハム/絵 猪熊葉子/訳 リブリオ出版 2007)

ずっと気球で空を飛ぶ訓練を受けてきたお父さんは、今度いよいよひとりで飛ぶことになりました。でも、まだ空を飛んだことのないネコのヘンリーは、不満で尻尾をぴゅっぴゅっと振りました。みんなが、きしきしきしむ3月の雪を踏みしめながら気球を上げる支度をしているのを、ただみていなくてはならないなんて、冗談ではありませんでした。

ヘンリーは、みんなが目をはなした隙に、気球のカゴに乗りこみ、バーナーを点火するひもを引っ張って、たった1匹で空高く飛んでいきます──。

スキーをしたり、船に乗ったりする、「ねこのヘンリー」シリーズの1冊です。絵は非常に細密にえがかれた、リアリティに富んだもの。空中の感じや、川の表現など目を見張ります。このあと、飛び立ったヘンリーは、川に落ちそうになったり、近づいてきたワシを追い払ったり、電線に引っかかりそうになったりしながら、なんとか飛行を続けていきます。迫真力に満ちた絵でえがかれる、ヘンリーの活躍が大変楽しい一冊です。小学校低学年向き。

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