「のんびりおじいさんとねこ」(西内ミナミ/作 わかやましずこ/絵 福音館書店 2011)
海辺の小さな小屋に、おじいさんがひとりのんびり暮らしていました。そこへ、ある日、ネコが一匹ふらりとやってきました。おじいさんはアジの尻尾をネコをやるといいました。「ここにはいつも新鮮な魚がある。いつまでもここにいるんじゃよ」
けれど、毎日毎日ネコが食べるのはアジの尻尾ばかりです。「たまにはうまい身をたらふく食べたいもんだ」と、ネコは立ち去ろうとしますが、「おまえのために、特別でっかい魚をとってやろう」と、おじいさんは引きとめます。
「「こどものとも」人気作家のかくれた名作10選」の1冊です。絵を描いた和歌山静子さんは、寺村輝夫の「ぼくは王さま」シリーズのさし絵画家として高名です。「でっかい魚をとってやろう」といったおじいさんは、古い釣り竿を直しはじめたり、えさのミミズをとったりして、なかなか海にでていきません。やっと海にでて魚を釣ったと思ったら、釣れた魚をまたえさにしたりして、ネコをやきもきさせます。もちろん、最後は大きな魚をしとめるのですが、それがすんなりネコの口にはいらないところが面白いところです。絵は3色。黒く太い描線が特徴的です。小学校低学年向き。
0 件のコメント:
コメントを投稿