「むくどりとぶどうのき」(「こどものとも年中向き」1994年11月号 通巻104号 八百板洋子/再話 T・マローノフ/絵 福音館書店)
3月になり、雪どけ水が村のあちこちにあふれてきました。お百姓ははさみをもって、むくどりに声をかけました。「さあ、むくどり。一緒にブドウ畑にいって古い枝を切ろう」。でも、むくどりは、「だめ、だめ。いま巣をつくっているところなんだもの」といって、ワラを食わえて飛び立ちました。そこで、お百姓はひとりでブドウ畑にいき、古い枝を切りました。
このあと、おじいさんが畑の土を起こそうといっても、ブドウの木を消毒しようといっても、草を刈ろうといっても、むくどりは忙しいからと断ります。そして、秋になり、ブドウの実がなると──。
ブルガリアの昔話をもとにした絵本です。最後、こう終わるだろうなと予想をもって読むと、肩すかしを食らいます。ブルガリアのひとの寛容なのでしょうか。聖書にでてくる、ブドウ園の話なども思い起こさせます。なお、このお話は、「吸血鬼の花よめ」(八百板洋子/編・訳 高森登志夫/絵 福音館書店 1996)にも収録されています。小学校低学年向き。
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