「ぬすまれたおひさま」(コルネイ・チュコフスキー/作 ユーリ・ヴァスネッツオフ/絵 松谷さやか/訳 らくだ出版)
ある日、空のお日様をワニがぱっくりと呑みこんでしまいました。おかげで、あたりは真っ暗闇です。灰色スズメは、地面に落ちている小麦の粒をみつけることができませんし、ウサギは暗くて帰り道がわかりません。お日様をとり返してくれるよう、ヒツジたちがクマにお願いしにいきますが、子グマたちがいなくなってしまったクマは、おいおい泣いているばかりです。でも、ウサギから、励ましのことばとこん棒をもらったクマは、うなり声をあげると、川にいるワニをめざして駆けていきました。
巻末の解説によれば、原書は詩物語。それを考慮してか、訳文は七五調で訳されています。灰色スズメの嘆きを引用してみましょう。
「おひさま はやくかおをだして!
あなたが そらにいなくては
ぼくたち ほんとにこまります
はたけにおちてる むぎつぶを
みつけることが できません」
最後は、クマの活躍により、太陽は元に戻ります。大団円は大変な盛り上がり。暖かみのある、ユーモラスな絵も魅力的です。小学校低学年向き。
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