「ちいさなふるいじどうしゃ」(マリー・ホール・エッツ/作 たなべいすず/訳 冨山房 1976)
あるところに、小さな古い自動車がありました。丘のいちばん上に、小さな古い自動車をとめて、運転手さんがいいました。「ここで待っていてくれよ、自動車くん。このお百姓さんのうちで、きみに水をもらってくるからね」。ところが、小さな古い自動車は、「こんなところで待っているのはいやだ!」と、丘を駆け降りていってしまいました。
丘を駆け降りた小さな古い自動車は、カエルやウサギやアヒルや牛や、そのほかさまざまなものに出会いますが、みんなはねとばしてしまいます。「すぐどくから!」といっても、小さな古い自動車は聞き入れません。
当然、小さな古い自動車は、最後痛い目にあうのですが、つぎつぎとみんなをはねとばしていく姿は、なかなか痛快です。「もりへ」で有名なエッツがえがいた、乱暴さが魅力の一冊。ストーリーとちがい、絵やレイアウトが落ち着いているところが、この作者らしいところです。小学校低学年むき。
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