2013年3月26日火曜日

かぜのかみとこども















「かぜのかみとこども」(山中恒/文 瀬川康男/絵 フレーベル館 2012)

昔むかし、ある村で、大人たちはみんな稲刈りにでかけ、残った子どもたちが、お堂のところで遊んでいました。すると、みたことのない男がふらりとやってきて、「おい、みんな。ナシやカキがうーんとなってるところへいってみたくないかな?」といいました。子どもたちが、そこへ連れていってほしいと頼むと、男はまるでけものの尻尾のようなものをぐうっと引っ張りだしていいました。「さあ、みんな、これにまたがってくれ。落ちないようにしっかりとつかまれよ」

子どもたちを尻尾のようなものに乗せた男は、ごうっと風を起こし、空高く舞い上がり、雲を抜け、どこかの山のなかに到着します。そこには、たくさんのカキやクリやナシがなっていて、子どもたちは大喜びするのですが──。

フレーベル館復刊絵本セレクションの1冊です。初版は1978年。文章はタテ書き。瀬川康男さんの絵は、装飾的でありながら、親しみやすい、絶妙なバランスを保っています。さて、このあと、男は子どもたちを山のなかに置いて、どこかへ飛んでいってしまいます。残された子どもたちは、夜の暗がりのなかを明かりをめざして歩いていき──と、お話は続きます。小学校低学年向き。

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