2013年3月10日日曜日

てんぐのはうちわ















「てんぐのはうちわ」(香山美子/文 長新太/絵 教育画劇 2000)

もんたという若者がいました。がらくた市でザルを買い、くたびれたので大きな木の下で、頭にザルをかぶって休んでいました。すると、ゆさゆさと木の上でうごくものがありました。「なんだ天狗かあ?」と、もんたがいうと、「あれや、おまえ、おれの姿がみえるのか」と、木の上にいた天狗がいいました。

もんたは天狗をからかって、このザルをかぶれば千里眼になれるのだといいます。すると、天狗はザルをほしがり、この羽うちわと交換しないかと、もんたにもちかけていきます──。

「日本民話えほん」シリーズの一冊です。文章はタテ書き。天狗の羽うちわは、「はな、はな、高こうなれ」といってあおぐと、鼻が高くなり、「はな、はな、低くなれ」といってあおぐと、鼻が低くなるという不思議なうちわです。もんたは、まんまと羽うちわを手に入れ、あちこちでいたずらをしたあげく、たくさんのお金をもうけます。ですが、このあとお話は思いがけない展開をむかえます。昔話にもかかわらず、やけにピンク色をした、長新太さんの絵が印象的です。小学校低学年向き。

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