2013年3月27日水曜日

おやすみなさいのおともだち















「おやすみなさいのおともだち」(ケイト・バンクス/文 ゲオルグ・ハレンスレーベン/絵 肥田美代子/訳 ポプラ社 2012)

寝る前、いつものように男の子がお気に入りの絵本をかかえてきました。お母さんはその絵本を受けとり、そっと読みはじめました。──ねむいねむいクマのお話。風が冷たくなってきました。もうすぐ冬がやってくるのです──。

絵本を読んでもらいながら、男の子は声をかけます。「ねえ、ママ。クマさんは冬のあいだ中、ずっと眠ってるんでしょ」「そうよ冬ごもりっていうの」

本書は、お母さんが読む絵本の文章と、絵本を読みながら交わす男の子とお母さんの会話という、2つの文章から成っています。会話はゴシック、絵本の文章は明朝と、字体も分けてつかわれています。絵を描いたゲオルグ・ハンスレーベンは、「リサとガスパール」シリーズの画家。本書でも、厚塗りの、叙情のある絵をえがいています。さて、絵本のなかでは、じき冬がきて、クマは冬眠をはじめます。クマさん、ぐっすり眠ってるみたいね。お母さんがそういうと、男の子がしーっと、こたえます。母と子の、おやすみ前の絵本を通したひとときをえがいた一冊です。大人向き。

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