2013年3月19日火曜日

かえでがおか農場のなかまたち















「かえでがおか農場のなかまたち」(アリス・プロベンセン/作・絵 マーティン・プロベンセン/作・絵 乾侑美子/訳 童話館出版 1998)

かえでがおか農場には、イヌが2匹、ウマが5頭、ブタが1匹、それにガチョウと、ニワトリと、牝ウシと、ヤギと、ヒツジと、4匹のネコがいます。4匹のネコは、いつもくっつきあって寝ていて、どこからどこまでがどのネコなのかわかりません。でも、起きてくれば、ちゃんと1匹ずつになります。

シャムネコのタマゴザケは、大変なおばあさんで、どんな暑い日でも寒がっています。ヤナギは、タマゴザケの弟の、いつのまにかどこかへいってしまったポテトの子。ヤナギは遊ぶのがきらいで、けんかもきらい。ただじっとしています。みていても面白くありません。グズベリーは、ある日、農場に迷いこんできたネコで、いつのまにか灰色のお母さんネコになって、いまでは自分の子ネコたちと遊んでいます。とても大きなマックスは、グズベリーの息子。マックスグズベリーは親子なのに、けんかばかりしています。マックスは人間の子どもと遊ぶのが好きですが、遊ぶときはひっかかれないように気をつけなければなりません。まだ子ネコなので、ツメを引っこめるのが下手なのです――。

かえでがおか農場シリーズの一冊です。作者のプロイセン夫妻は、「栄光への大飛行」などの作者。さて、本書はこの調子で、農場にいる動物たちの(そして、勝手に農場にやってくる生きものまで)紹介がずっと続きます。ニワトリのワタボウシとサクラが生んだタマゴを温めるのは、チイサナカワイイ赤毛チャン。年寄りで、もうタマゴを生めませんが、ほかのニワトリの生んだタマゴを温めるのが好きなのです。ヒツジのメエは、毛を刈とられるとき、怖くて気絶してしまい、年寄りイヌのダイナは石が好きで、せっせと石をはこびます。どの動物たちも個性があり、大変楽しい読物絵本となっています。小学校中学年向き。

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