「ゆきむすめ」(内田莉莎子/再話 佐藤忠良/画 福音館書店 1980)
あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。子どもがいなかった2人は、それをたいそうさびしく思っていました。冬のある日、子どもたちが元気いっぱいに雪あそびをしているのをみていた、おじいさんとおばあさんは、庭にでて、雪で可愛らしい娘をつくりました。すると、突然娘はにっこり笑って、ひと足ふた足、雪のなかを歩きだしました。
雪むすめは、みるみるうちに、大きく、かしこく、美しくなっていきます。でも、春がきて、子どもたちが楽しそうに外を駆けまわっていても、うちに閉じこもって遊びにいこうとはしません。夏になり、女の子たちが森へ遊びにいこうと誘われた雪むすめは、おじいさんやおばあさんにもすすめられ、仕方なくでかけるのですが──。
雪でできた女の子のお話です。佐藤忠良さんの絵は、おそらくクレパスと水彩でえがかれたもの。女の子たちがとても生き生きとえがかれています。幻想的で少しもの悲しく、でもこれ以外考えられないというラストが待っています。似たモチーフを扱った「ゆきのねこ」などと読みくらべてみるのも面白いかもしれません。小学校低学年向き。
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