2011年1月13日木曜日

のら犬ウィリー












「のら犬ウィリー」(マーク・シーモント/作 みはらいずみ/訳 あすなろ書房 2001)

きょうは、みんなでピクニックにいきました。その子犬に最初に気がついたのはお父さんでした。「ワンちゃん、どうしたの?」と、お母さんがいいました。「おなかすいてるんじゃない?」と、おねえちゃんがいいました。「あそびたいんだよ、きっと」と、弟がいいました。子どもたちは、子犬にウィリーという名前をつけて、一緒に遊びました。

お利口で、ひとなつこいウィリーと遊んでいると、あっというまに時間がたってしまいます。でも、自分のうちがあるかもしれないウィリーを、うちに連れて帰ることはできません。みんなは、ウィリーを置いてうちに帰るのですが──。

「ぼくはめいたんてい」シリーズ(マージョリー・W・シャーマット 大日本図書)のさし絵などで著名な、マーク・シーモントによる傑作絵本です。このあと、みんなはウィリーのことばかり考えて一週間をすごし、つぎの土曜日、またピクニックにいってみると…と物語は続きます。カバー袖の文章によれば、この絵本はマーク・シーモントが1983年に友人のサッサ・レイコから聞いた実話から生まれたということです。シーモントはそのあと、15年も構想を練り続けたそう。絵は水彩。文章と絵の関係がじつにみごとです。小学校低学年向き。

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