2010年2月1日月曜日

運命の王子










「運命の王子」(リーセ・マニケ/文絵 大塚勇三/訳 岩波書店 1984)

昔、エジプトに息子がいない王様がいました。息子をくださるように神様にお願いすると、願いがかない、男の子が生まれました。すると、7人のハトホル女神たちが、その子の運命をさだめるためにやってきて、こういいました「この子は、ワニかヘビか犬に殺されることになっている」。

さて、王様は砂漠のへりに石の家をつくらせ、そこで男の子を育てました。ある日、道をあるいている男のあとに、一匹の犬がついていくのを見た王子は、自分も犬がほしくなりました。そこで、王様の許しを得て、一匹の犬をもらいました。

その後、旅にでた王子はナハリン国にたどり着き、その国の王女と結婚します。とろこが、ついに運命が王子に追いつく日がやってきます。

本書はエジプトのパピルスに記されていた物語だそうです。結末は散逸してしまっていたので、作者が想像をして、つけ加えています。絵は、さまざまな浮き彫りから引用したもので成り立っており、巻末には詳しい解説がついています。当時のエジプトの雰囲気がよくでている、美しい読物絵本です。小学校中学年向き。

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