「ゆうれいフェルピンの話」(アストリッド・リンドグレーン/文 イロン・ヴィークランド/絵 石井登志子/訳 岩波書店 1993)
〈わたし〉とおにいちゃんは、丘の下にあるおばあちゃんの家にお話を聞きにいきました。おばあちゃんのおばあちゃんの代からつたわっている「がりがりフェルピン」のお話です。手のつけられない、いたずら者のフェルピンは、幽霊の格好をして教会のオルガン弾きをおどかすのですが、だれもいなくなった教会で、だれかに首筋をつかまれて、生きたまま血が凍り、100年も教会の壁に立ち続けるのです。
さて、おばあちゃんのお話を聞いた帰り道、〈わたし〉はうっかりフェルピンの名前を口にだしてしまいました。幽霊は名前を呼ばれるとでてくるって、よく知っていたのに! おにいちゃんはどんどん先にいってしまい、〈わたし〉はひとり森に残されて…。
怖いお話を聞いた女の子が、その帰り道怖い目にあうというお話。お話を聞いたあとの、ほんとうになにか起こりそうな感じがとてもよくでています。もちろん、最後は怖いまま終わりはしません。読物絵本。小学校中学年向き。
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