「むぎばたけ」(アリスン・アトリー/作 矢川澄子/訳 片山健/絵 福音館書店 1989)
あたたかい夏の夜、一匹のハリネズミが野道をぶらぶら歩いていました。すると、ノウサギのジャックじいさんに出会いました。「ハリ公、あんたどこへいく?」と、ジャックじいさんがいったので、ハリネズミはこたえました。「ちょっとあっちの畑まで。ムギが伸びるとこをみたいんでね」。そこで、ジャックじいさんも、ハリネズミと一緒にムギ畑をみにいくことにしました。
このあと、2匹はカワネズミと出会い、カワネズミもムギ畑までつきあいます。3匹が目にするムギ畑の場面は圧巻。ムギ畑にいくだけの物語ですが、じつに豊かな時間が流れます。作中、歩きながらハリネズミがうたう歌があります。文章はタテ書きの読物絵本。読み終わると、カワネズミと同じ気持ちがわいてきます。「ムギの穂がでそろって、風にゆられてるとこを見ると、そりゃ胸がすうっとするものねえ」。小学校中学年向き。
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