2010年1月21日木曜日

おばけリンゴ












「おばけリンゴ」(ヤーノッシュ/作 矢川澄子/訳 福音館書店 1978)

昔、あるところにワルターという貧乏な男がいました。ワルターはリンゴの木を一本もっていましたが、この木はまだひとつも実がなったことがありませんでした。そこで、ある日、ワルターはベッドのなかで、ひとつでいいからうちの木にもリンゴがなりますようにとお祈りしました。

ワルターの祈りはかなえられ、木にはひとつ白い花が咲き、それは大きなリンゴになりました。ところが、リンゴはあんまり大きかったので、汽車にのせることができません。ワルターはおばけリンゴをおぶって、はるばる市場にいきますが、これがリンゴだなんてウソだろうと、だれにも買ってもらえず、途方に暮れてしまいます。ところが──。

なにが効を奏するのかわからないという、不思議な味わいのお話。つじつまがあうのかあわないのかよくわからないのですが、なぜか心に残ります。小学校低学年向き。

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