2010年1月19日火曜日

おこった月












「おこった月」(ウィリアム・スリーター/再話 ブレア・レント/絵 はるみこうへい/訳 童話館出版 2006)

昔、ルーパンという男の子と、ラポウィンザという女の子がいました。ふたりは仲の良い幼な友だちで、かばの木の枝と鳥の羽で矢をつくっては、山や野原であそんでいました。ある夏の晩、ラポウィンザは月を見上げて、「みてよあの月、顔じゅうあばただらけだわ」と笑いました。すると、底知れない闇が草原をおおい、七色の虹があらわれたかと思うと、虹はラポウィンザをつつみ、ともに消えてしまいました。

月がラポウィンザを連れ去ったんだと思い、ルーパンは泣きくずれます。が、夜空を見上げ、「ぼくはあの星に矢をあてられる」と思ったルーパンは、星に矢を射かけます。射かけた矢は、つながり、はしごになって、ルーパンはラポウィンザをとりもどすため、空の国にむかいます。

ネイティブ・アメリカンの昔話です。奇想天外なストーリーがこのあとも続きます。とくに、怒った月が2人を追いかけるところなど、大スペクタクルです。小学校低学年向き。

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