「おひめさまのたんじょうび」(アニタ・ローベル/作 猪熊葉子/訳 文化出版局 1976)
昔、丘の上のお城にひとりのお姫様が住んでいました。お姫様は毎朝目をさますと、乳母たちが起しにくるのを待ちました。そして、「お起おきになって、お起おきになってお嬢様」と、乳母たちがいうと、お姫様は「あたし、もう起きてるんだけどなあ」と思いました。ある日、お姫様の誕生日がやってきました。パーティーがはじまるまで、行儀よく椅子にすわりながら、「お誕生日おめでとうって、だれもいってくれないわ」とお姫様が思っていると、外から音楽が聞こえてきました。みると、手まわし風琴ひきが、歌ったり踊ったりしていて、そばでは小さなサルがいろいろな芸をしていました。風琴ひきはお姫様をみると、「お誕生日おめでとう」といいました。
お姫様は、この風琴ひきをパーティーにさそいます。が、風琴ひきはお城からしめだされて、なかなかやってこれません。やっと、パーティーに入りこんだものの、王様とお妃様の不興を買ってしまいます。そこで、お姫様はある行動にでるのです──。アニタ・ロベールの細緻な絵と、自由と愛情をもとめるお姫様が印象的な読物絵本です。
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