2010年12月7日火曜日

いたずらこねこ









「いたずらこねこ」(バーナディン・クック/文 レミィ・チャーリップ/絵 間崎ルリ子/訳 福音館書店 1980)

あるところに、庭の小さな池に住む、ほんの小さなカメがいました。となりのうちには、子猫がいました。ほんの小さな、でもいたずらな子猫でした。カメは毎日、ゆっくりゆっくり庭を散歩しました。ある日、カメがいつものように散歩をしていると、そこに子猫がやってきました。

子猫は、カメをみるのがはじめてです。用心しながらカメに近づき、立ち止まると、カメも立ち止まります。子猫が前足でポンとカメを叩くと、カメは首を甲羅に引っこめ、子猫は大いに驚きます。もしかしたら、もう一度叩いたら首がでてくるかもしれないぞと、子猫がまたカメを叩くと──。

生まれてはじめてカメと出会った子猫のお話です。まるで舞台のように、両端からカメと子猫がやってきて、真ん中で出会います。子猫は最後、少々かわいそうな目にあうのですが、そのしぐさは大変かわいらしくユーモラスにえがかれています。シンプルな絵本ですが、心地よい緊張感に満ちた劇的な一冊です。ちなみに、絵を描いたチャーリップは、「よかったねネッドくん」の作者シャーリップと同一人物です。小学校低学年向き。

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