「オーケストラの105人」(カーラ・カスキン/作 マーク・サイモント/絵 岩谷時子/訳 すえもりブックス 1995)
金曜日の夜です。外はだんだん暗くなり、だんだん寒くなってきます。町のあちこちで、105人のひとたちが、仕事にいく支度をしています。まず、みんなからだを洗います。105人のうち、男のひとは92人、女のひとは13人。ほとんどのひとはシャワーをつかいますが、二人の男のひとと、3人の女のひとは、しゃぼんの泡でいっぱいのお風呂に入ります。それから、ヒゲをそったり、ズボンやくつ下をはいたり、宝石をつけたり、ひとりだけ白いネクタイに燕尾服を着たひとがいたりして、みんなは「いってきます」と、105のドアからでていきます。
105人のオーケストラの楽団員たちが、ホールに集合し、演奏をはじめるまでを描いた絵本です。お風呂の入りかたや、着るもの、はくもの、つけるもの、またホールにむかう交通手段まで、次々に列挙されるさまが楽しいです。絵は、イラスト風の親しみやすいもの。大勢の人物をみごとに描き分けています。本書のラスト近くで、105人がな音楽ホールにつどったのか、その訳がこんな風に明かされます。
「金曜日の夜 8時30分
105人の 男のひとと 女のひとは
黒と白の 服をきて
白い紙に 黒で 音符が書かれた 楽譜を
シンフォニーに かえるために ここへきたのです。」
小学校中学年向き。
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