2010年12月3日金曜日

オーケストラの105人












「オーケストラの105人」(カーラ・カスキン/作 マーク・サイモント/絵 岩谷時子/訳 すえもりブックス 1995)

金曜日の夜です。外はだんだん暗くなり、だんだん寒くなってきます。町のあちこちで、105人のひとたちが、仕事にいく支度をしています。まず、みんなからだを洗います。105人のうち、男のひとは92人、女のひとは13人。ほとんどのひとはシャワーをつかいますが、二人の男のひとと、3人の女のひとは、しゃぼんの泡でいっぱいのお風呂に入ります。それから、ヒゲをそったり、ズボンやくつ下をはいたり、宝石をつけたり、ひとりだけ白いネクタイに燕尾服を着たひとがいたりして、みんなは「いってきます」と、105のドアからでていきます。

105人のオーケストラの楽団員たちが、ホールに集合し、演奏をはじめるまでを描いた絵本です。お風呂の入りかたや、着るもの、はくもの、つけるもの、またホールにむかう交通手段まで、次々に列挙されるさまが楽しいです。絵は、イラスト風の親しみやすいもの。大勢の人物をみごとに描き分けています。本書のラスト近くで、105人がな音楽ホールにつどったのか、その訳がこんな風に明かされます。

「金曜日の夜 8時30分
 105人の 男のひとと 女のひとは
 黒と白の 服をきて
 白い紙に 黒で 音符が書かれた 楽譜を
 シンフォニーに かえるために ここへきたのです。」

小学校中学年向き。

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