2010年12月8日水曜日

まいごのフォクシー











「まいごのフォクシー」(イングリ・ドーレア/文・絵 エドガー・ドーレア/文・絵 うらべちえこ/訳 岩波書店 2002)

フォクシーは、キツネそっくりの小さな犬です。ある日、思いがけず町の通りにでたフォクシーは、ご主人の男の子に匂いを見失い、迷子になってしまいました。暗くなり、雨も降ってきて、お腹はぺこぺこ。あるドアの前にうずくまっていると、突然ドアが開き、太った男のひとがフォクシーにつまづいて転びそうになりました。「やあ、きつねみたいなワンちゃん。どこからきたんだい? 迷子になったんだな。腹ぺこなんだろう。うちへおいで」と、太っちょのおじさんは、フォクシーを抱き上げてうちに連れて帰りました。

さて、太っちょのおじさんの家にいくことになったフォクシーは、そこでごちそうにありつきます。家にはオンドリと猫もいて、「音楽の時間」におじさんがフルートを吹くと、猫はピアノを弾き、オンドリはコケコッコーと鳴きだします。フォクシーも一緒にうたいだすと、「いや、うれしいねえ、うたう犬とは! 動物3人組で演奏できる!」と、おじさんは喜びます。そして、おじさんは宙返りやピラミッドなど、フォクシーにいろんな芸をしこみます──。

迷子になった犬のフォクシーが、太っちょの男に拾われて、芸をしこまれ、舞台に立つ…というお話です。カラーページと白黒ページが交互にくる構成。あたたかみのある絵は、おそらく色鉛筆でえがかれたもの。表と裏の見返しに、マンガがついています。ストーリーは、チェーホフの「カシタンカ」(児島宏子/訳 未知谷 2004)そっくりです。小学校低学年向き。

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