2010年12月21日火曜日

はしれちいさいきかんしゃ











「はしれちいさいきかんしゃ」(イブ・スパング・オルセン/作 やまのうちきよこ/訳 福音館書店 1979)

大きな駅の構内に、小さな機関車がいました。この機関車は、とても小さかったので、遠くへいかせてもらえませんでした。「せめて、隣の町までいきたいな」と、小さな機関車はときどきため息をついていました。ある朝、いつものように機関士さんが水を入れ、石炭をたき、「窓をふけば準備完了」と窓ふきをとりにいったとき、小さい機関車は「ポーッ、しゅっぱあつ!」と叫んで走りだしました。

小さい機関車はホームを走り抜け、広びろとした田舎を通り、ついにレールから脱線。夢にまでみた隣町へとむかいます。

つきのぼうや」で高名なオルセンの絵本です。小さな機関車が暴走していくさまが、とてもいきいきと描かれています。とくに冒頭、小さな機関車が駅の構内にむかって走りだすところは大変わくわくします。また、小さな機関車が暴走しているのに、周りのひとたちのリアクションがのんきなところが可笑しいです。機関車絵本はたくさんありますが、そのなかでも傑作の一冊でしょう。小学校低学年向き。

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