「つきのぼうや」(イブ・スパング・オルセン/作 やまのうちきよこ/訳 福音館書店 1979)
夜空に昇り、ふと下を見たお月さまは、池なかにもうひとりのお月さまがいるのを見つけました。もうひとりのお月さまが気になってしかたないお月さまは、ある晩、月のぼうやを呼んでいいました。「ちょいと、ひと走り下へ降りていって、あの月を連れてきてくれないか。友だちになりたいのだ」。そこで、月のぼうやはかごを下げ、元気よく夜空を駆け降りていきました。
月のぼうやが、途中うっかり蹴飛ばした星は、流れ星になります。わた雲を突き抜け、飛行機を横切り、渡り鳥の群れに出くわしたり、風に吹き飛ばされたりしながら、月のぼうやは池にむかっていきます。
タテ35センチ、ヨコ13センチと非常にタテ長の絵本です。このタテ長の構図を、じつによく生かしたつくりになっています。読むと、自分も月のぼうやと一緒に空から落ちているような気分になります。オチも洒落ていて、楽しい一冊になっています。小学校低学年向き。
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