2011年8月3日水曜日

マウス一家のむすめたちのさんぽ












「マウス一家のむすめたちのさんぽ」(カーラ・カスキン/作 星川菜津代/訳 童話館出版 2005)

ある日、お母さんネズミのミセス・マウスは、双子の娘、チーズ・ビットとトッツィ・ロールに、「わたしたちは夕食まえにしておかなくてはならない大切なことがありますよ」といいました。ミセス・マウスが帽子をかぶり、ショッピングカートを押して玄関をでると、2人の娘たちが追いかけました。途中、タマゴをあたためているミセス・ロビンに、ミセス・マウスはたずねました。「どこにいけば美味しいイチゴがみつかるかしら」。ミセス・ロビンはイチゴがなっているところへの道を教えてくれました。すると、ミセス・マウスは、ミセス・ロビンの耳になにかをささやきました。「ねえねえ、お母さんなんていたの?」と、娘たちがたずねましたが、ミセス・マウスは謎めいて笑うだけで、先をいそいでいってしまいました。

ミセス・マウスと娘たちは、イチゴのなっているところへいき、ショッピングカートの半分まで一杯にします。このあと、ウサギに木の葉を、リスに木の実を、カタツムリに貝がらを、カメに野の花の咲いているところを教えてもらいます。

どれがぼくかわかる」などで高名なカスキンによる一冊です。絵はイラスト風のかわいらしいもの。カラーと白黒の画面が交互にくる構成です。イチゴをとる場面などはカラーで、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ストロベリーといった、さまざまな種類のイチゴが紹介されます。なぜ、ミセス・マウスは夕食まえにイチゴをとりにいったりしたのか、そしてミセス・ロビンになにを耳打ちしたのかは、物語の最後で明かされます。礼儀正しいミセス・マウスと、双子の娘たちのやりとりが楽しい、幸福な味わいの読物絵本です。小学校中学年向き。

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