2011年8月18日木曜日

とっときのとっかえっこ












「とっときのとっかえっこ」(サリー・ウィットマン/文 カレン・ガンダーシーマー/絵 谷川俊太郎/訳 童話館 1995)

ネリーのおとなりさんのバーソロミューおじいさんは、ネリーが赤ちゃんだったころ、毎日ネリーをカートに乗せて、1ブロック先のプリングルさんの菜園まで散歩に連れていってくれました。バーソロミューは、いつもオリバーさんの家の前にくると、「つかまれ、ネル! でこぼこだぞ!」といいました。すると、ネリーはいつも、「でこぼこ!」と叫びました。

歩けるようになると、ネリーはバーソロミューの手をほどこうとするようになります。助けてもらいたくないのです。ですから、バーソロミューはいざというときしか手を貸さないようにします。そのうち、ネリーは学校にいくようになり、バーソロミューはそのぶん衰えてきます。バーソロミューがいやがるので、ネリーはいざというときしか手を貸さないようにします──。

老人と女の子の交流をえがいた絵本です。このあと、ひとりででかけたバーソロミューは、階段で転び、病院にいき、車イスに乗ってもどってきます。「これで散歩はおしまいだな」というバーソロミューを、こんどはネリーが散歩に連れだします。絵は、漫画風の、ところどころに着色された線画。歳月が、ひとの役割を変えることをえがいた、美しい絵本です。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿