2011年8月23日火曜日

ラルーシとひつじのぼうや












「ラルーシとひつじのぼうや」(サゾン・スラザーコフ/文 ベーラ・フレーブニコワ/絵 松谷さやか/訳 福音館書店 2001)

朝早く、ウシのお乳をしぼりにいったおばあちゃんは、「ラルーシ、赤ん坊が生まれたよ」と、羊の赤ん坊を抱いて帰ってきました。ラルーシはベッドから飛び起きました。羊の赤ん坊は、ぶるぶるふるえて、まだちゃんと立てません。「ラルーシ、あたたかい家のなかで、しばらく面倒をみてやってくれ」と、おばあちゃんがいいました。

羊の坊やは、ラルーシのあとをどこにでもついていくようになります。ラルーシがどこにかくれてもみつけてしまいますし、こっそりお使いにでかけても、必ずあとからやってきます──。

女の子と羊の赤ちゃんの交流をえがいた絵本です。絵は、色鉛筆かもしくはパステルでえがかれた涼しげなもの。奥付の著者紹介によれば、作者のサゾン・スラザーコフは、西シベリアのアルタイ生まれで、アルタイ民族の生活のテーマに作家活動をしているそうです。そして、本書の原作は、ロシアの詩人ステュアルトにより、アルタイ語からロシア語に翻訳されたということです。女の子と羊の坊やのやりとりが楽しい、美しく品のある一冊です。小学校低学年向き。

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