「あまがえるさん、なぜなくの?」(キムヘウォン/文 シムウンスク/絵 池上理恵/共訳 チェウンジョン/共訳 さ・え・ら書房 2008)
昔、母さんのいうことを聞かないアマガエルの子がいました。この子は大のへそ曲がりで、母さんがなにをいっても反対のことばかりしていました。川でからだを洗いなさいといわれると、やだやだと山へぴょんぴょんはねていってしまいますし、もう水あそびはやめなさいといわれると、やだやだと川へぽちゃんと飛びこんでしまいます。子ガエルがあんまり反対のことばかりするので、母さんガエルは心配のあまり病気になってしまいました…。
母さんガエルは、子ガエルが反対のことをするだろうと見越して、「わたしが死んだら山ではなく、必ず川のそばに埋めてね」といい残します。が、それを聞いた子ガエルは──。
韓国の昔話をもとにした絵本です。どうしてアマガエルは雨が降るまえに鳴きだすのか、その由来を語っています。訳者の解説によれば、似た話は日本各地にもあり、地域によって、アマガエル、トビ、ヤマバト、ハト、フクロウ、カラスなどの鳴き声の由来をつたえているそうです。その、共通する大筋は、こんな風だといいます。
「親にさからうあまのじゃくな子がいた。親は息を引きとるときに川(海)のそばに埋葬してほしいと遺言する。親は、山に埋葬してほしかったので逆のことをいったのだが、子は遺言だけは守って、親を川(海)のそばに埋葬する。子は雨の日になると、親の墓が流されないかと心配して鳴くようになる」
絵は、子どもが描いたような生き生きしたもの。シンプルな昔話に、力強さをあたえています。小学校低学年向き。
0 件のコメント:
コメントを投稿