2010年11月18日木曜日

ウィリアムのこねこ











「ウィリアムのこねこ」(マージョリー・フラック/作 まさきるりこ/訳 新風舎 2005)

ある5月の月曜の朝、しま模様の子猫が、プレゼントビルという村の、ポリウィンクル通りで迷子になっていました。子猫は「ミャーミャー」と鳴きながら、ポリウィンク通りを通るひとびとについていきました。最初は牛乳屋さんに、つぎは郵便屋さんに、それから八百屋の店員さん、会社へ急ぐお父さん、学校へ急ぐ子どもたち、市場へ買い物にいくお母さんたち…。でも、みんな急いでいたので、だれも子猫に気づいてくれません。そこで、子猫は4才になるウィリアムについていくことにしました。ウィリアムは、ちっとも急いでなんかいなかったのです。

さて、ウィリアムのうちに入りこんだ子猫は、うまくミルクにありつきます。この子猫を飼いたいとウィリアムはいいだしますが、もしかしたら、ほかのうちの子猫かもしれません。そこで、ウィリアムは、兄のチャールズと姉のナンシーと一緒に警察署にいき、迷子の子猫の届出がないかたずねてみることにします。

カラーページと白黒ページが交互にくる構成です。この時代(原書は1938年刊)の絵本らしく、黄色がじつに鮮やかです。ストーリーは、子猫の引きとり手が3人もあらわれるという意外な展開をみせますが、これ以外は考えられないという見事なラストに落ち着きます。この絵本も、完璧な一冊といえるでしょう。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿