「せかいいちゆうかんなうさぎラベンダー」(ポージー・シモンズ/作 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房 2004)
ウサギのラベンダーは、線路ぎわの川の土手に住んでいました。ラベンダーは、静かに絵を描いたり、本を読んだりするのが好きでしたが、お兄さんやお姉さんたちは、大声で騒いだり、危なっかしい遊びをしたりするのが大好きでした。そのたびに、ラベンダーは心配でたまらなくなりました。
ある日のこと、町からキツネの一団がやってきました。みんなはキツネたちと一緒に食べたり遊んだりしましたが、ラベンダーは「いいキツネなんているわけないじゃない」と、仲間に入りませんでした。次の週もその次の週もキツネたちはやってきて、トランポリンや川遊びをしましたが、ラベンダーは一緒に遊びませんでした。その次の週、キツネたちはとなりの駅でおこなわれる婚約パーティにみんなを誘いました。ラベンダーはみんなを止めましたが、弱虫呼ばわりされ、怒って汽車にとび乗りました──。
さて、汽車はとなりの駅で停まり、キツネたちは森のなかにむかいます。その不気味な様子から、みんなは逃げだしてしまうのですが、ラベンダーだけはキツネの婚約パーティがおこなわれるテントにやってきます。
心配性のウサギ、ラベンダーのお話です。このあと、町のキツネと田舎のキツネのあいだが険悪になるのですが、ラベンダーの思わぬ活躍により、町のキツネはすくわれます。絵は、色鉛筆でえがかれた柔らかな味わいのもの。コマ割りや吹きだしのある、マンガ風のつくりです。絵もストーリーも可愛らしい読物絵本です。小学校中学年向き。
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