「ゆかいなかえる」(ジュリエット・キープス/作 いしいももこ/訳 福音館書店 1980)
水の中に、黒い点々のあるゼリーのような卵がありました。魚がやってきて、卵をぱくっと食べましたが、4つの卵だけはぶじに流れていきました。それから、卵はオタマジャクシになり、後足が生え、前足が生え、尻尾がちぢんで、4匹のカエルになりました。
4匹のカエルは流木まで競争したり、カタツムリのかくしっこをしたり、サギから逃げたり、カメからかくれたりしながら、夏中うたって遊びます。
石井桃子さんの訳文はうたうように書かれています。サギをうまくやりすごす場面の文章はこんな風です。
「さぎたちは ふしぎがりながら いってしまった。
そっと でてきた ゆかいなかえる
さぎを だませて よかったな。」
絵は、わずかな色でじつにうまく水の感じを表現しています。また、カエルたちは、シンプルな線で生き生きとえがかれています。すでに古典となった1冊といっていいでしょう。小学校低学年向き。
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