2010年11月29日月曜日

ナガナガくん










「ナガナガくん」(シド・ホフ/作・絵 小船谷佐知子/訳 徳間書店 1999)

ナガナガは、胴体が長いながーい犬でした。あんまり長いので、自分の尻尾はみえないし、犬小屋からはいつもはみだしていました。「まるで長いソーセージみたい」と、ほかの犬はバカにしましたが、ナガナガは気にしませんでした。だって、一度にたくさんの子どもたちになでてもらえる犬なんて、ほかにいないからです。

ナガナガの飼い主は、年寄りの貧しいおばさんでした。おばさんはナガナガのことが大好きでした。ぐっと寒くなったある日、おばさんは毛糸を買うために、つぼや床の下にしまっておいた小銭を、ありったけあつめました。ナガナガは、「ぼくがこんなに長くなかったら2人分の毛糸が買えるのに」と思い、壁に頭を押しつけたり、からだを結んでみたりしました。でも、少しもからだはちぢみません。そこで、ナガナガは家出をすることにしました──。

アメリカの高名な漫画家で、絵本や児童書の著作もあるシド・ホフの絵本です。このあと、家出をしたナガナガは、お金持ちのペットになるのですが、さみしくなって、またうちに戻ります。そのとき、思いがけない事件が起こります。絵も物語もじつに明快な、読んで楽しい一冊です。小学校低学年向き。

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