「天使のクリスマス」(ピーター・コリントン/作 ほるぷ出版 1990)
クリスマスイブの夜、女の子はベッドのはしに靴下を置き、ほしいプレゼントのメモを置いてベッドに入りました。女の子が眠ると、窓から小さな守護天使がやってきました。守護天使は女の子のメモを大事にベルトにはさみ、クリスマスツリーのところにいくと、いくつものロウソクに火をつけました。そして、大勢の仲間とともにロウソクをもち、外に飛んでいきました。
「ちいさな天使と兵隊さん」同様、コマ割りされた絵で構成された、文字のない絵本です。絵は、水彩と色鉛筆で丹念にえがかれたもの。雪の日の静かな感じがよくでています。本書の冒頭には、「この本を、えんとつのない家にすむ 子どもたちに贈ります」という一文が記されています。守護天使たちがなぜロウソクをもって外にでたのが、その理由がわかったとき、思わず「そうか」と声を上げることうけあいです。巻末には、江國香織さんによる文章が載せられています。
「私は、こんなしずかな絵本に言葉を添えることに、ちょっとうしろめたさを感じながらこれを書いています」
と、江國さんは記しています。小学校中学年向き。
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