「マグナス・マクシマス、なんでもはかります」(キャスリーン・T・ペリー/文 S.D.シンドラー/絵 福本友美子/訳 光村教育図書 2010)
昔、あるところに、ものをはかるのが大好きなマグナス・マクシマスというおじいさんがいました。マグナス・マクシマスの家には、時計に天秤、温度計に晴雨計、望遠鏡に潜望鏡と、はかる道具がなんでもそろっていました。また、マグナス・マクシマスはもの数えるのが大好きでした。空の雲を数え、ゼラニウムの花びらを数え、顔のそばかすを数え、はしかのポツポツを数え、菓子パンのレーズンを数えました。
ある日、サーカスから一頭のライオンが逃げだしました。町のひとたちは大騒ぎで逃げだしましたが、マグナス・マクシマスは右手を上げてライオンの前に立ちはだかり、きっぱり「止まれ!」といいました。そして、ライオンのしっぽの長さを計り、ひげの長さを計り、たてがみのなかにいるノミの数をかぞえ、聴診器で心臓の音をかぞえました。そうこうするうちに、サーカスのライオン係がとんできて、ライオンを連れて帰りました。このことがあってから、マグナスは役所につとめ、ありとあらゆる「どのくらい」をはかるようになりました。
ところが、あるときマグナス・マクシマスは、自分のメガネを踏んでこわしてしまいます。メガネがなければ、なにもはかることができません。波の数でもかぞえようかと浜辺にいったところ、男の子がマグナスのところにやってきます。
なんでもはかって、なんでも数える、マグナス・マクシマスのお話。マグナス・マクシマスは、はかったり数えたりするのに夢中で、ひとが楽しそうにしていても悲しそうにしていても一向に気がつきません。ですが、浜辺で出会った男の子のおかげで、マグナスは少し変わります。精緻でユーモラスな絵が、ナンセンスなストーリーをよく支えています。小学校低学年向き。
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