「テーブルのした」(マリサビーナ・ルッソ/絵と文 青木久子/訳 徳間書店 1998)
退屈なときやひとりになりたいとき、わたしはテーブルの下にやってきます。ここにいると、なんだか落ち着くのです。わたしのお人形もここが好きだし、枕も、、クレヨンも、クッキーもここが好き。わたしの犬もここが好きで、いつもそばにきて、わたしをぺろぺろなめます。
そんな〈わたし〉は、あるとき、テーブルの裏にクレヨンでお絵かきをしてしまいます。そうじをするので、テーブルを壁に立てかけたとき、パパとママはびっくり。そのとき突然、〈わたし〉は落書きをしてはいけないといわれたことを思い出します──。
テーブルの下が大好きな女の子のお話。絵は、はっきりした色をつかった、それでいて柔らかな味わいのもの。テーブルの裏に落書きをしてしまった〈わたし〉にたいする、パパとママの応対ぶりが見事です。本書冒頭の献辞には、作者と同様に、訳者と思われるひとも名前をつらねています。訳者も献辞に参加しているというのは、なかなかめずらしいかもしれません。小学校低学年向き。
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