2010年10月6日水曜日

わらのうし












「わらのうし」(内田莉莎子/文 ワレンチン・ゴルディチューク/絵 福音館書店 1998)

あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。それはそれは貧乏で、おじいさんはタールをつくり、おばあさんは糸をつむいでやっとのことで暮らしていました。ある日のこと、突然おばあさんがいいました。「おじいさん、わらで牛をつくっとくれ。横っ腹にタールをぬっとくれ」。おじいさんは文句をいいながらも、わらの牛をつくり、横っ腹にたっぷりタールをぬりました。翌朝、わらの牛をつれて丘にのぼったおばあさんは、糸をつむぎながら居眠りをはじめました。すると、暗い深い森の奥からクマがやってきました──。

イヌに腹を食いちぎられたクマは、わらの牛にタールをよせといいますが、わら牛はこたえません。腹を立てたクマは、わらの牛のタールをはぎとろうとしますが、逆にくっついてしまいます。そこへ、目をさましたおばあさんがおじいさんを呼び、クマは捕まってしまいます。

その後はくり返し。次はオオカミ、その次はキツネがわらの牛に捕まってしまいます。おじいさんは捕まえた3匹を逃がしてやり、3匹はおじいさんたちにいろいろなものをもってきます。

ウクライナの昔話を元にした絵本です。大きな絵本で、タテ29センチ、横31センチもあります。絵を描いたのもウクライナのひとで、その国のひとでなければ描けないような味わいがあります。内田さんの再話は、まったく無駄のない素晴らしいもの。カバーの袖に内田さんの写真が載せられています。小学校低学年向き。

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