2010年10月15日金曜日

おはなしおはなし












「おはなしおはなし」(ゲイル・E・ヘイリー/作 あしのあき/訳 ほるぷ出版 1978)

昔むかし、世界中にお話はひとつもありませんでした。というのも、ニヤメという空の王者が、自分の椅子そばにおいている小箱に、お話をぜんぶしまいこんでいたからです。ところが、あるときアナンセという名のクモ男が、ニヤメがもっているお話を買いとってやろうと思いつきました。そこで、アナンセはクモの糸を編んで空まで届くはしごをつくり、空の王者を訪ねました。

アナンセの頼みごとを聞いたニヤメは、笑いながらこういいます。「わしの話がほしけりゃな、〈ガッブリのかみま〉のオセボ・ヒョウ、〈チックリさしま〉のムンボロ・クマンバチ、〈コッソリいたずらま〉のモアチアようせいをもってこい」。そこで、アナンセは地上にもどり、ニヤメがほしがるものを手に入れにでかけます。

アフリカの民話をもとにした絵本です。知恵のまわるクモ男はみごとにニヤメがほしがる3つのものを手に入れ、ニヤメからお話の箱を買いとります。文章は、おじいちゃんが子どもたちに語り聞かせるというスタイル。絵は色鮮やかな版画で、遠目がよく効きます。この本にはまえがきがあり、そこには、アフリカのひとたちはこんな文句からお話をはじめると書かれています。

「いいかい? これからはなすことが、ぜったいに、ほんとのことかどうか、なんとも、なんともいえないのだがね、まあ、きいてくれ。きょうはどんなおはなしになるかな。さあ、おはなし、おはなし……」

1971年度コールデコット賞受賞作。小学校低学年向き。

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