「めでたしめでたしからはじまる絵本」(デイヴィッド・ラロシェル/文 リチャード・エギエルスキー/絵 椎名かおる/訳 あすなろ書房 2008)
冒頭の一文はこうはじまります。
「騎士と お姫さまは 結婚して、すえながく 幸せに くらしましたとさ」
どうして、ふたりが結婚して、末長く幸せに暮らすことになったのかというと…
「ずぶぬれの 騎士が、かしこい お姫さまと 恋に おちたからです」
どうして、ずぶ濡れの騎士が、かしこいお姫さまと恋に落ちたのかというと…
「かしこい お姫さまが、大きな ボウル いっぱいの レモネードを、騎士に あびせたからです」
…というわけで、普通の物語の終わるところからはじまり、一体なにがあったのか、ひとつずつさかのぼって語っていく、という絵本です。一体なぜ、お姫さまは騎士にレモネードを浴びせたのでしょうか。ストーリーはみごとに円環をえがき、なるべくしてなったのだとわかります。絵は、描線のはっきりした、すこしセンダック風の水彩画。原題はずばり“THE END”。おとぎ話のパターンになれた子は、この遊び心を楽しんでくれることでしょう。小学校中学年向き。
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