「アラネア あるクモのぼうけん」(J.ワグナー/文 R.ブルックス/絵 大岡信/訳 岩波書店 1979)
クモのアラネアは、糸をつむいで風をつかみ、空をとんで、だれかの庭に着陸しました。丸まった葉っぱにもぐりこみ、隠れ家をつくって、夜になると網を張りました。そして、網をつくってはこわし、つくってはこわしして、何日もすごしました。夏の終わりも近いある夜、アラネアはなにかいやなことが起きつつあるのに気づきました。風が強まり、空が割れ、雨が降ってきました。
緻密で繊細なペン画による絵本です。嵐がきて、雨に流されてしまったアラネアは、人家に入りこみ、なんとか一命をとりとめます。1匹のクモの生きるための大冒険が、擬人化を排した語り口で静かに語られ、深い感銘をあたえてくれます。小学校中学年向き。
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