「オーパルひとりぼっち」(オーパル・ウィットリー/原作 ジェイン・ボルタン/編 バーバラ・クーニー/絵 やぎたよしこ/訳 ほるぷ出版 1994)
ほんとうのお母さんとお父さんが天国にいってしまったオーパルは、ある家族の養女になりました。新しいお母さんは、オーパルに、たきぎとりやバターづくり、洗濯など、たくさんの仕事をいいつけます。でも、オーパルには友だちがいます。ねずみのメンデルスゾーンや、犬のホラチウス、近所に住む〈だいすきなひと〉。悲しくなると、ラファエルという名の木と話します。
孤独な女の子が主人公の絵本です。動物たちにみな立派な名前がついているところなど、あどけなさと孤独さを感じさせます。クーニーのえがく静かな絵が、文章とともに作品を忘れがたいものにしています。読物絵本。小学校中学年向き。
本書は、原作者のオーパルが5、6歳ころつけていた日記をもとにしてつくられたそうです。オーパルは日記を秘密の場所に隠しておいたのですが、あるとき、義理の姉さんにみつかり、びりびりに破られてしまいました。それでもオーパルは、破られた紙切れを箱にいれてとっておきました。大人になり、なにかの拍子にこの日記の話をしたところ、ひとりの出版人がこの日記をみたいといったので、オーパルは9ヶ月かけて紙切れをつなぎあわせました。出版人は日記をたいへん気に入り、一冊の本として出版したそうです。
この絵本は、ほんとうにすばらしい一冊だと思います。私も言葉に尽くすことができない感銘を受けました。小学校中学年向きとありますが、私は50歳を過ぎて出会い、つくづくと絵本の力というものに感じ入りました。
返信削除どんぐりころころ
返事が大変遅れてすいません。
削除コメントをつけてくれるひとがいるなんて、まったく考えもしませんでした。
絵本には、どう考えても素晴らしいとしかいいようのない作品がいくつかあって、この絵本もそんな一冊に含まれる作品だと思います。
年齢は目安で、小学校中学年なら読めるかなあと思うのですが、大人が読んだほうがより深い感銘を受けるかもしれません。
なんにせよ、大人はもっと絵本を読んだほうがいいのではないかと思います。
素晴らしい作品がたくさんあるので、読まないのはもったいないですからね。