「この世でいちばんすばらしい馬」(チェンジャンホン/作 平岡敦/訳 徳間書店 2008)
昔、ハン・ガン(韓幹)という、絵を描くのが大好きな少年がいました。家が貧しく、絵筆も紙も買えませんでしたが、有名な画家のクン・ウェイに認められ、宮廷の絵師になるための学校に入ることができました。ハン・ガンは先生のいうことを聞かず、いつも馬の絵ばかり描いていました。不思議なことに、どの絵の馬も、みんなひもでつながれています。友達がそのわけをたずねると、ハン・ガンはこたえました。「いつか命がやどって、絵から抜け出すかもしれないからね」。すると、ある夜、ひとりの武将がハン・ガンのもとにやってきました。
巻末の解説によれば、話は作者の創作ですが、ハン・ガンは8世紀の中国に実在した画家だそうです。話は紹介したところから戦争の惨禍へと続きます。涙をこぼす馬の痛々しい表情に打たれます。小学校中学年向け。
0 件のコメント:
コメントを投稿