2009年7月7日火曜日

あくまのおよめさん












「あくまのおよめさん」(稲村哲也/再話 結城史隆/再話 イシュワリ・カルマチャリャ/画 福音館書店 1997)

昔、ネパールのある村に、ラージャンという男の子が住んでいました。あるとき、道で1枚の金貨をひろったラージャンは、そのお金でサルを買いました。大きくなり、屋根から屋根へとびうつれるようになったサルは、家の屋上で、悪魔が村人からとりあげた宝物をひろげているのをみつけました。悪魔が居眠りをしたすきに、サルは宝物をかくしましたが、目をさました悪魔につかまってしまいました。そこで、サルはいいました。「ぼくはほんとうは、おじさんにおよめさんをみつけてやろうと思ってやってきたんですよ」

このあと、かしこいサルは人形のお嫁さんをつくり、悪魔をみごとだまします。自分のせいでお嫁さんが死んでしまったと思った悪魔は、嘆き悲しんで村を去ります。このあたり、つい悪魔に同情してしまうところです。本書は、ネパールの民話を、ネパールの伝統絵画の技法によって描いた絵本です。美しい色あいの、不思議な感じの絵が印象的です。現在品切れ。小学校低学年向け。

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