「みるなのくら」(おざわとしお/再話 赤羽末吉/絵 福音館書店 1999)
昔、あるところに貧しい若者がいました。若者は毎日山でたきぎをとっては、それを里で売って暮らしていました。ある日、いつものように若者が山にいくと、林のなかから「ほーほけきょ」と、うぐいすの声が聞こえてきました。うぐいすの声にさそわれて、若者は山の奥へ迷いこんでしまいました。
そのうち、あたりが暗くなり、帰り道がわからなくなった若者は、遠くに明かりをみつけます。いってみると、そこは大きなお屋敷。美しいあねさまが、ごちそうをならべてもてなしてくれます。そして、つぎの日、ちょっと里に用を足しにいくというあねさまは、若者に留守番を頼みます。「このうちには倉が12あります。1から11の倉まではのぞいてもかまいません。でも、最後の12の倉だけはけっしてみないでくださいね」。そこで、若者は倉をどんどん開けていき、ついには12の倉にたどり着いて──。
1の倉を開けると、そこはお正月、2の倉を開けると節分です。倉を開ける場面は若者がシルエットで処理されて、まるで映画の一場面のようです。小学校低学年向き。
0 件のコメント:
コメントを投稿