「ちいさなろば」(ルース・エインズワース/作 石井桃子/訳 酒井信義/絵 福音館書店 2002)
雪の降る日、小さなロバはひとりぼっちで囲いのなかをぐるぐるまわっていました。ロバは寒くはありませんでしたが、さみしいと思いました。すると、2人の女の子がやってきて、ロバにいいました。「あたしたち、急いでうちに帰るところ。ベッドにくつ下をつるさなきゃならないから」。どうしてくつ下をつるすんです、というロバに女の子はサンタクロースのことを教えました。「そのひと、人間の子どもにだけプレゼントをくれるんですか? ロバにはくれないんですか?」と、ロバはたずねましたが、女の子たちは知らないわといって、去っていってしまいました。ところが、その晩不思議なことが起こりました。
クリスマス絵本の一冊です。その夜、足を痛めたトナカイのかわりに、ロバはサンタクロースのそりを引くことになります。表紙はワインレッドの地に、黒い線でロバの絵がえがかれたものですが、なかは美しい水彩画です。とくに、クリスマスの朝は物語の効果とあいまって忘れがたいものになっています。小学校低学年向き。
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