2009年9月30日水曜日

おとうさんのちず












「おとうさんのちず」(ユリ・シュルヴィッツ/作 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房 2009)

戦争でなにもかも失ったぼくとその両親は、遠い遠い東の国にやってきました。よその夫婦と暮らすことになり、寝るのは土を固めた床の上です。ある日、市場へでかけた父さんは、パンのかわりに大きな地図を買ってきました。それをみて、お腹がぺこぺこだったぼくは怒りました。でも、つぎの日、父さんが壁に地図を貼ると、暗い部屋に色があふれました。

作者の幼少時代の思い出をえがいた絵本です。ワルシャワで生まれたシュルヴィッツは、戦火のため中央アジアのトルキスタン(今のカザフスタン)で6年間暮らしました(その後、パリ・イスラエル・アメリカへと居を移しています)。絵本では、その後ぼくは地図に夢中になり、空想のなかでさまざまな旅をします。絵本は最後こう結ばれています。「やっぱり おとうさんは ただしかったのだ」。小学校中学年向き

0 件のコメント:

コメントを投稿