「長ぐつをはいたネコ」(ペロー/作 マーシャ・ブラウン/絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 1996)
マーシヤ・ブラウンも「長ぐつをはいた」を描いています。こちらの猫も自信満々の表情。どことなく、メス猫っぽい感じです。フィッシャーの猫とはちがい、じつに優雅に楽々と長ぐつをはいています。冒頭はこうです。
「むかし、あるところに、ひとりの粉屋がいました。その粉屋が死んだとき、三人のむすこにのこしたものといえば、水車小屋と、ロバと、ネコだけでした。これっぽっちの財産を分けるのに、弁護士をたのむひつようはありません。
現在品切れ。
以下は余談。長くつをはいたねこに長ぐつをはかせたのは、たしかペローだったと思いました(シンデレラにガラスの靴をはかせたのも、たしかペロー)。長ぐつをはくまえのネコの活躍は、17世紀イタリアの物語集「ペンタネローネ」所収の「ガリューソ」という短篇にみることができます。この短篇では、ラスト、金持ちにしてあげた主人から感謝のことばを並べられたネコは、「ほんとうに感謝してるのかな?」と、死んだふりをします。ネコが死んだと思った主人が、手のひらを返したような発言をすると、ネコはとび上がって主人をののしり、でていってしまいます。ハッピーエンドではありませんが、主人をためすような疑り深いところが、ペローのネコよりネコらしいかも?
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